晋末宋初に関するエピソード群を様々な形で参照できる wiki です。

各伝記は、三國志については web 翻訳が存在しないため中國哲学書電子化計劃の各伝に、晋書については「いつか読みたい晋書訳にリンクしております。

建安七子 孔融 陳琳 徐幹 王粲 応瑒  阮瑀
竹林七賢 阮籍 嵆康 山涛 尚秀 劉伶 阮咸 王戎

建安七子

曹操が権勢を振るった漢末期、建安年間。当時最強の司令官であった曹操は、同時に当時もっとも文学の振興に力を入れる人物でもありました。そんな曹操のお眼鏡にかなった七人が、建安七子。彼らは曹操の雄飛に従ってその文名を高め、しかし曹操に先立ち、死んでしまいます。
今之文人、魯國孔融文擧、廣陵陳琳孔璋、山陽王粲仲宣、北海徐幹偉長、陳留阮瑀元瑜、汝南應瑒院東平劉聾幹、斯七子者、於学無所遺、於辭無所假。咸以自騁驥騄千里、仰齋足而竝馳。
当世の文人といえば、孔融、陳琳、王粲、徐幹、阮瑀、応瑒、劉呂裡型佑澄3慳笋鯢広く修め、その言葉には嘘偽りがない。彼らはみな、自身が千里をも掛ける駿馬であり、かつ輩が自身と併走しうる存在である、と認識していた。
曹丕――典論

孔融

Image from 李學仁&王欣太『蒼天航路』

孔子の子孫。炸裂しまくる才気をたのんで曹操にガチで喧嘩を売り、処刑されました。残されている作品を読むと「おれはすごい、マジですごい」とでも言わんばかりで、すごいです。
 伝記  後漢書70
 作品集 https://zh.wikisource.org/wiki/Author:%E5%AD%94%E8...
世説新語 言語3 言語4 言語5 言語8

陳琳

Image from 李學仁&王欣太『蒼天航路』

袁紹の下にいたときに曹操をこれでもかとばかりに罵倒する文章を書き、それのお陰で曹操に気に入られるという因果なひとです。面と向かって「俺はいいけど親父disんなよ」と曹操に言われています。
 伝記  三國志21
 作品集 https://zh.wikisource.org/wiki/Author:%E9%99%B3%E7...

徐幹

Image from 李學仁&王欣太『蒼天航路』

折り目正しいふるまいの文人で、建安七子たちの中では良心的存在といえるでしょう。彼の書いた『中論』は、様々な思想を折衷して産んだ処世論の集大成です。
 伝記  三國志21
 作品集 https://zh.wikisource.org/wiki/Author:%E5%BE%90%E5...

王粲

Image from 李學仁&王欣太『蒼天航路』

七子中最強の賦才を備えていた、とされます。文才だけでなく、曹操が儀礼を改革するにあたって、アドバイザーとしても活躍。建安七子、大体において「この人がすごい」で終わります。
 伝記  三國志21
 作品集 https://zh.wikisource.org/wiki/Author:%E7%8E%8B%E7...
世説新語 傷逝1

応瑒

Image from 李學仁&王欣太『蒼天航路』

驚くほどなんにも残っていないひと。史書も一行で片付きますし、そこに附される注では本人すっぽかして祖父や叔父のことばかり。それでいて「たくさんの文章を残しました」と書かれるのですが、まるで現存していません。ぼくは彼になにを見ればいいの?
 伝記  三國志21
 作品集 https://zh.wikisource.org/wiki/Author:%E6%87%89%E7...

Image from 李學仁&王欣太『蒼天航路』

王粲と並ぶ詩才と呼ばれていますが、フリーダムなくそ度胸がすごい。曹丕の夫人、甄氏が登場したとき、みんなが平伏する中、ひとりガン見。無礼ということで捕まるのですが、曹丕様は結局罪に問いませんでした。これはその才能を愛していたがゆえなのか、果たして。
 伝記  三國志21 ※真ん中くらいから始まる。
 作品集 https://zh.wikisource.org/wiki/Author:%E5%8A%89%E6...
世説新語 言語10

阮瑀


隠者っぽいふるまいをしていました。曹操はその文才を愛するあまり、阮瑀の引きこもる山を焼いて強引に引っ張り出したそうです。このネタの真偽は定かではありませんが、竹林七賢阮籍の父、阮咸の祖父ともなれば、招聘シカトは有り得そうです。
 伝記  三國志21
 作品集 https://zh.wikisource.org/wiki/Author:%E9%98%AE%E7...

竹林七賢

魏が晋に乗っ取られようとしていた頃、その不吉な予兆を厭い、竹林にて哲学議論を交わす七人がいました。彼らが、竹林七賢。ある者は表向き裏向きに晋に逆らい、ある者はむしろ晋の貴顕に上りつめ。またある者は我関せずと酒に溺れ。そうした処世によって、激動の時代を生きた七人です。
袁宏が『名士伝』を著すと、謝安に読ませた。すると謝安が笑った。「昔話した東遷前の人士のことを本にしてしまったのか! やってくれたな、袁宏くん!」
袁宏は
・夏侯玄、何晏、王弼 を正始名士と。
・阮籍、嵆康、山濤、向秀、劉伶、阮咸、王戎 を竹林名士と。
・裴楷、楽広、王衍、庾敳、王承、阮瞻、衛玠、謝鯤 を中朝名士と呼んだ。
世説新語 文学94+劉孝標注

阮籍


竹林七賢の代表格。スーパー歌い手兼詩人。散々士官を蹴った挙げ句、酒蔵の近くに勤務する官職を提示されたら即飛びつき、酒浸り。酒狂いの裏には、底知れぬ晋への嫌悪、憎悪を抱いていました。
 伝記  三國志21 晋書49 1,2段目
 作品集 https://zh.wikisource.org/wiki/Author:%E9%98%AE%E7...
世説新語 徳行15 言語40 文学67 賞譽29 品藻71 豪爽13 傷逝2 棲逸1 賢媛11 任誕1 任誕2 任誕5 任誕7 任誕8 任誕9 任誕10 任誕11 任誕13 任誕20 任誕51 簡傲1 簡傲2 排調4

嵆康


阮籍と並ぶ代表格で、五石散をかっくらいながら超絶な琴の腕前を示しました。魏を乗っ取らんとする晋を憎悪し、それを表に出しすぎたため捕まり、処刑。竹林七賢の薄暗さは、この人の死が起因となっています。
 伝記  三國志21 晋書49 8-11段目
 作品集 https://zh.wikisource.org/wiki/Author:%E5%B5%87%E5...
世説新語 徳行16 徳行43 言語15 言語18 言語40 文学5 文学98 政事8 雅量2 雅量29 賞譽29 賞譽111 品藻31 品藻67 品藻71 品藻80 容止5 容止11 傷逝2 棲逸2 棲逸3 賢媛11 巧蓺14 任誕1 簡傲3 簡傲4 排調4

山涛


後見人的存在。才覚としては前の両名に及ばないとされましたが、しかし彼らを愛する心は本物。彼らと酒を酌み交わせる数少ない人物でした。一方で晋の大臣にまで上り詰めてもおり、その処世が光ります。
 伝記  晋書43 1-3段目
世説新語 言語78 政事5 政事7 政事8 方正15 識鑒4 識鑒5 賞譽8 賞譽10 賞譽12 賞譽17 賞譽21 賞譽29 品藻71 容止5 棲逸3 賢媛11 任誕1 排調4

向秀


ダンサーにして嵆康の友人。一緒に鍛冶仕事をする仲でした。その嵆康が死亡したあと、晋に迎合。都は言えあまり仕事熱心ではなかったようです。向秀による莊子注は、後世人の郭象のキュレーション(各方面に配慮された表現)により、後世に伝わったそうです。
 伝記  晋書49 12段目
世説新語 言語18 文学17 文学32 賞譽29 品藻44 品藻71 任誕1 簡傲3

劉伶


固有スキルは飲酒と脱衣。唯一残された文章が「俺は酒飲み、すなわち神」みたいなノリのやべーやつです。発言も酒や裸のことばかり。まぁ、阮籍らと一緒にいる時にはもう少し違う話もしたのでしょうけどね。
 伝記  晋書49 13段目
世説新語 文学69 賞譽29 品藻71 容止13 任誕1 任誕3 任誕6 排調4

阮咸


阮籍の甥。ギタリスト。彼が持っていたのと同じ系統のシグネチャーモデルが日本の正蔵院に納められています。叔父に負けないフリーダムな行動を取ってはいましたが、叔父上によれば同じ憂いを抱いていた、とのことです。
 伝記  晋書49 3段目
世説新語 賞譽12 賞譽29 品藻71 術解1 任誕1 任誕10 任誕12 任誕13 任誕15

王戎


最年少メンバー、最年長の山涛とは三十歳以上離れています。とは言え世代差なんのそので一緒に楽しんだそうです。そして山涛と同じく、晋の貴顕に。彼の存在が、竹林七賢を後世に伝えたのかもしれません。
 伝記  晋書43 6段目
世説新語 徳行16 徳行17 徳行19 徳行20 徳行21 言語23 雅量4 雅量5 雅量6 賞譽5 賞譽6 賞譽10 賞譽13 賞譽14 賞譽16 賞譽22 賞譽24 賞譽29 品藻6 品藻71 容止6 容止11 容止15 傷逝2 傷逝4 任誕1 任誕8 任誕14 任誕32 簡傲2 排調4 儉嗇2 儉嗇3 儉嗇4 儉嗇5 紕漏4 惑溺6

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